神秘の湖 三方五湖

若狭湾や山々との連なりで絶景を生み出す「三方五湖」は 三方湖・水月湖・菅湖・久々子湖・日向湖 の5つの湖から成り立っています。

その昔、三方五湖は海岸から遠く離れた内陸の1つの湖でした。
第4氷河期が終わり、縄文時代前期になると海水面が3~5m高くなったことにより、元々あった久々子湖は大きな入り江となりました。その後、耳川によって運ばれた土砂が入口を塞ぎ、入り江は潟湖となりました。
他の4つの湖は50万年前に三方断層の沈殿部にできた断層湖とみられています。

若狭湾国定公園を代表する景勝地で、2005年11月にラムサール条約に登録されました。五つの湖は異なる水深と塩分濃度で五色の湖とも呼ばれ、海水魚から淡水魚まで様々な魚が生息し、水鳥の貴重な生息地でもあります。

また2011年には、水月湖で発掘された7万年の年縞が「年代測定の世界標準のものさし」として世界に認定され、2018年9月若狭町に福井県年縞博物館が完成しました。
2019年2月には、三方湖の「たたき網漁」など五湖それぞれの特徴に対応した伝統漁法が県内で初めて日本農業遺産に認定。さらに2019年5月には、レインボーライン山頂公園の「天空の足湯」に入りながら眺める神秘の湖・三方五湖の絶景が『クールジャパンアワード2019』に認定されています。

三方湖

周囲9.6km 最大水深5.8m 面積3.58km²

五湖の内唯一の完全淡水湖です。コイ、フナ、モロコ、エビ、ウナギ等が捕れます。冬から春にかけては、伝統漁法「たたき網漁」が行われます。また、ヨシヒシ等の水生・湿生植物も生息します。

水月湖

周囲10.80km 最大水深34.0m 面積4.18km²

五湖の内最も大きく、三方湖とは瀬戸口で、久々子湖とは掘割りの浦見川で結ばれ日向湖とは嵯峨隧道でつながっています。海水と真水の半々の汽水湖です。湖底に堆積している『年縞』は7万年分が連続しており、2013年9月に放射性炭素年代測定法に採用され、年代特定の「世界のものさし」となりました。

菅湖

周囲4.2km 最大水深13.0m 面積0.91km²

この湖は五湖の内一番小さな湖で、水月湖と同じ汽水湖です。周辺では、オジロワシオオワシ、カモ類など多くの野鳥が観察されます。

久々子湖

周囲7.10km 最大水深2.5m 面積1.40km²

南北に長く、海に接しているので満潮時には日本海から海水が逆流する汽水湖です。かつては、シジミ漁が盛んで復活を目指しています。
また美浜町民レガッタ(毎年)、全日本社会人選手権、全国中学校選抜ボート大会等の漕艇会場となっています。

日向湖

周囲4.0km 最大水深38.5m 面積0.92km²
湖口が日本海につながっており、完全な塩水湖で魚類は海のものばかりで、クロダイアジ、イワシなどが捕れます。またハマチ、フグ、タイなどの蓄養場としても活用され、2か所ある釣堀には多くの釣り客が訪れます。
毎年1月第3日曜日に実施される日向橋での水中綱引きは無形民俗文化財です。

上部へスクロール